昨晩22時過ぎから少し遅めの入浴。

その後、メッセで少し話をしようかと思ったが相手が不在だったため

しかたなしに昨日最終回だった『人間の証明』をビデオから見た。

俺がこの物語を初めて見たのはニ十数年前の角川映画が最初なのだが

多分俺と同じような方もいるはず。

俺は角川映画の『人間の証明』で日本映画の素晴らしさを感じたのです。

当時、ジョー山中の歌と麦藁帽子が飛んでいく映像、西条八十の詩は、

すごく子供心に印象的に残ってるんだ。

今回それがテレビドラマ化され、竹野内豊が出てくるっていう事で

実は毎週見ていたりして。。。。爆

話がそれたが、昨日の最終回。。。

丁度、取調べ室で真犯人への尋問が佳境になり西条八十の「麦藁帽子」を読んで

真相を聞出すいいところでCMだったのだが、折角ドラマが悲しく切ない

場面だったのにCMはオバカな陽気なCMがいきなり流れだした。。。

おぃおぃ。。。折角のドラマが台無しじゃん!

テレビ業界がCMスポンサーで成り立っている以上仕方ない事かもしれないが

折角シリアスな名シーンで視聴者を引きずり込んでも、オバカなCMで

見ているこちらが興ざめしないようにCMの並びを替えるとか出来ないんだろぅか。。

こんな事を考えるのは俺だけ?


『母さん、ぼくのあの帽子どうしたでしょうかねぇ?』で始まる

あの詩をまるっきり聞いた事も見たこともないって方は少ないと思うが

物語の中で読まれていたあの内容が全てだと勘違いされている方が

結構いるのに驚く。(てか俺も中学時代に西条八十を読んで驚いたのだが。。。。)

実は全文はこのような詩なのです

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母さん、ぼくのあの帽子どうしたでせうね?
ええ、夏碓氷から霧積へいくみちで、渓谷へ落としたあの麦藁帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
ぼくはあのときずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき向こふから若い薬売りが来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどたうたうだめだった。
なにしろ深い谷で、それに草が背丈ぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?

そのとき旁で咲いていた車百合の花は、もう枯れちゃったでせうね、
そして、秋には、灰色の霧があの丘をこめ、あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかもしれませんよ。
母さん、そしてきっといまごろは
今晩あたりは、あの谷間に、静かに霧が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光ったあの伊太利麦の帽子と
その裏にぼくが書いたY・Sといふ頭文字を埋めるやうに、静かに寂しく。

(詩:西条八十「麦藁帽子」)   

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素敵な詩ですよね。 この詩からその光景が脳裏に浮かんでしまいます。

ちなみに西条八十の詩にはこの『麦藁帽子』の他に麦藁帽子を題材にしたものに

『巨(おお)きな帽子』という詩もあるのですよww

今日の独り言:今日は後半まともな日記になってしまったww
         そういや角川映画のキャッチコピーは確か
         「読んでから見るか 見てから読むか」だった。
          あと。。。ジョー山中の歌が素敵だった