晴渡った空。

空が俄かに曇り、どんよりとした空に。

遠方より雷鳴が微かに聞こえてきたかと思えば瞬く間に大粒の雨。

熱せられたアスファルトに落ちる大粒の雨が水蒸気となり立ち昇る。

俺の心はそのとき何故か今に存在していなかった。。。


今から数十年前、真っ青に晴渡った大空より

広島にそして長崎にひとつの物体が投下された。

それは瞬時に平和な営みを破壊した。

戦いという名目での大量殺戮。


その瞬間に何を見たのだろ。

眼も眩むような閃光だろぅか

衝撃波という悪魔の爪によってもたらされて破壊の瞬間だろぅか。

悪魔の爪は中心からどんどん広がり命を飲み込む。

ある者はその場で生命が消滅し、ある者は全身を焼かれ水を求めてさ迷う。

一滴の水を求めて人々は、さ迷い果てる。


その地で偶然生き残った人間が見た者はなんだったんだろぅ

街並みは消え去り、生命が消えうせた街なのか。。。

破壊の中心上空の不思議なキノコ型の雲なのか。。。

真夏なのにまるで雪のように、空から降り注ぐした死に導く灰なのか

何も知らず何も判らず、その場で命を絶たれた者はまだ幸せだったのかも。。

空からの使者をもたらした者たちも、地上のものたちも

その瞬間から新たな地獄が始っていく。。。。




数十年前に原爆が投下されたこの数日間。

この数日間が来るたびに俺が思い出す映画のいちシーンがある。

それは黒沢明の『八月の狂詩曲(ラプソディー)』で描かれたシーンだ。

原爆投下後、閃光が走り地響きに驚き子供が空を見上げると

空にはおおきな『ひとつ眼』が浮かび上がり瞬きをする。

俺はあのシーンを始めて見たとき全身に鳥肌がたったのを思い出す。

今日の独り言:白昼夢を見たような感じ。。

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